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宝くじ1億円当てた投資家。日々の雑感と、投資の現実をつづります

イギリス株 ナショナルグリッド

【NGG】ナショナルグリッド株分析

投稿日:2019年8月8日 更新日:

私は宝くじで当てた1億円を、ナショナルグリッドに5000万円、ユニリーバに5000万円を投資しています。

私はある会社(全然有名じゃありません。給料安いです)のサラリーマンで経理をやってて、海外子会社の財務などを担当していますので、英語とか財務とかには詳しいという役得があります。(そこまで出来るのに、なんで宝くじ当たるまで株で儲けてないんだ、というツッコミはやめてください。今なら別に気にしませんが(笑))

ということで、外国株の財務諸表は読むことが出来るので、他の株ブログと同じように分析をしてみたいと思います。今後もこの2社の動向をずっと追っていきます。この2社の事業に関しては、日本一詳しい人間になりたいなと思います!

今回はナショナルグリッドの分析をしてみたいと思います。ナショナルグリッドは配当利率6%くらいと非常に高配当な会社です。

ナショナルグリッドはイギリスに送電線とガスパイプライン、そしてアメリカの北東部のニューヨーク州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州に送電線とガスパイプライインを保有するインフラ会社です。

インフラ会社ということで、ぼろもうけは出来ない代わりに、政府によって安定した収入を保証されています。もしぼろ儲けを許せば、電気代、ガス代が高くなって人々が生活できなくなってしまいます。でも全く儲からないと、電線やパイプラインが修理できなくなって、結局停電などが起こってこれまた人々の生活が出来なくなります。なので、政府が一定の儲けを許容しているのです。

社会に無くてはならない会社ということで、間違いなく倒産しないし、株を持ち続けたら確実にコツコツと配当金で儲けることが出来るという会社です。いわば「原発のない東京電力」といったところです。

2017年4月からは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー事業にも参入しています。この事業は政府による規制はないため、必ずしも儲かるわけではないものの、うまく行けば非常に儲けることができる、こういった類のビジネスになります。

今回は数値を拾ってみました。結構苦労しましたが・・・。

ナショナルグリッド 売上&利益分析

売上と利益を全体そして事業別に分けてみました。

上記の通り、セグメントは、イギリスの送電線、イギリスのガスパイプライン、米国の送電線、パイプラインそして非規制ビジネス(再生エネルギー)の4つに分かれています。グラフにするとセグメント別の売上の規模がわかります。

売上高でいうと、アメリカの送電線・パイプライン会社が売上の66%、3分の2を占めています。

つぎにセグメント別の利益額(税前利益)を確認します。

グラフにすると下記のようになります。

税前利益は約12%が再生可能エネルギービジネスからもたらされていますが、大部分が規制された安定したビジネスからの利益です。税前利益のうち約半分がアメリカの送電線・パイプラインの規制事業からもたらされています。

セグメント別の税前利益率を計算してみました。

こう見ると、再生可能エネルギーなどを手掛ける非規制ビジネスの利益率が高いです。また、売上の3分の2、利益の半分を占める米国の事業の利益率は18%ともっも低くなっています。利益率でいうとイギリスの送電線・パイプライン事業のほうが高いということですね。これは意外でした。

私としては、ブレクジットでイギリスの通貨・経済・制度に大きな変更が起こっても、利益の半分以上は米国と非規制ビジネスからもたらされているので、ナショナルグリッドは今後も問題ないのかな、と思います。

ナショナルグリッドの配当金支払能力確認

まずはナショナルグリッドの一株配当金を確認します。

この5年ずーっと変わっていません。

次に配当金は今後もきっちり払っていけるのか、ということでキャッシュフローについてみてみたいと思います。

ざっくり言うと、ビジネスで稼いだキャッシュ(営業キャッシュフロー)が、設備投資や保守などで出ていくキャッシュ(投資キャッシュフロー)と配当金払い・金利払いなどで出ていくキャッシュ(財務キャッシュフロー)より大きかったら問題ありません。ナショナルグリッドはこの5年で特に大きな問題はありません。2018年は事業売却で投資キャッシュフローがプラスで、一方特別配当で財務キャッシュフローは赤になっています。

さらにキャッシュフローを分析すると下記の通りです。

ビジネスで稼いだキャッシュ(営業キャッシュフロー)に、ビジネスを維持するための保守点検修理などの設備投資で出ていくキャッシュ(資本的支出)を差し引きした残りが、配当金支払の原資になります。2017年までは、「営業キャッシュフローから資本的支出を引いて手元に残ったキャッシュ」が、配当金支払額を上回っていましたが、2018年3月からは、配当金支払額よりも少ない額しか手元に残っていません。これは営業キャッシュフローが減った(事業活動で得るお金が減った)のと、資本的支出が増えた(保守点検修理などの設備投資への支出が増えた)というのが原因になっています。資本的支出を2017年までのレベルに抑えたら配当金払い分くらいのキャッシュをねん出できるので、おそらく問題ないでしょう。でもちょっと心配なので今後も注意したいと思います。

バランスシートを見ましたが、債務超過になるような感じではありません。心配無用ということで、数値は割愛します(笑)

以上のように数値を見ると、将来も配当金をキッチリ払ってくれるだろうなという事がわかります。ナショナルグリッドは今後も高配当株として君臨するんじゃないかと思います。

 

まとめると、アメリカ事業の利益が半分、再生可能エネルギーなどの利益が10%、のこり40%がイギリスの事業からの利益、というような事業構造で、配当金払いはたぶん今後も問題なさそう、ということです。

 

当然ながらリスクもあります。

電気代・ガス代に関わる会社ということで、電気代を安くして人気を得ようと政治家がビジネスに介入してくるというリスクがあります。イギリスの野党である労働党の党首は、ナショナルグリッドを国有化すると主張しています。

あとはブレクジットでイギリスの通貨が大幅に下落したり、制度が変わったりすると、イギリス事業の売上・利益が大幅に下がってしまうかもしれません。

今後はこういったリスクを注意深く確認しないといけないな、と思います。なんといっても私は毎年200万円以上の配当金をナショナルグリッドから頂いていますし・・・。

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