今回はマレーシア株を分析してみたいと思います。マレーシア株も、配当現地課税がゼロという事で、二重課税の心配がない外国株です。
SBI証券で購入できるマレーシア株のリストを見てみると、「ブリティッシュアメリカンタバコマレーシア」というのがありました。ブリティッシュアメリカンタバコといえば、イギリス株でADRとしてニューヨーク証券に上場している、超高配当株ですよね。マレーシアの子会社が、マレーシア証券取引所に上場しているようです。
今の配当利率が6%を超えており、本家ほどではないのですがブリティッシュアメリカンタバコマレーシアも超高配当株となっています。
ただ・・・問題が、最近株価がだだ下がりなんですよね。イギリスの本家もそうなんですけど、マレーシアでもダメなのかもしれません。個人的には、東南アジアの国って、手持ち無沙汰なオッサンが昼間から道路でぷかぷか吹かしているような感じがして、たばこの売上も上がるような気がしたのですが。少し気になったので、今回調べてみて記事にすることにしました。
ブリティッシュアメリカンタバコマレーシア概要
この会社はロスマンズオブポールモールマレーシアと言う会社と、マレーシアンタバコカンパニーが1999年に合併してできた会社のようです。合併前の会社の歴史は古く、1912年にまでさかのぼるようです。マレーシアがまだ英領マレー植民地時代のことですね。
ホームページによると、ブリティッシュアメリカンタバコマレーシアは、マレーシア国内でシェア54%を占める最大のたばこ会社ということです。
ということで、会社としてはピカピカの会社だと思うんですけど・・・。
ブリティッシュアメリカンタバコマレーシア 売上&利益
ここ5年の売上と利益を見ていきます。
見事なほどに右肩下がりです。これほど急激に下がるか!?というくらいの下げっぷりでむしろ清々しいほどです。この数値本当にあっているのかなと思いますが、アニュアルレポートに書いてあるしこれを信じるしかないですよね。。
まだ利益は出ているものの、5年で売上半分以下というのは凄まじい下り坂だといえます。
ブリティッシュアメリカンタバコマレーシア 配当金
次に配当金を見ていきます。
一株当たり配当金も順調に減っています。配当性向もほぼ100%ということで、これ以上さらに売上・利益が下がると配当金もどんどん下がっていく感じですね。完全にダメなパターンです。
ブリティッシュアメリカンタバコマレーシア キャッシュフロー
キャッシュフローの流れを確認していきます。
営業キャッシュフローをほとんど全部財務キャッシュフロー、すなわち配当金払いに充てています。投資は全然していないようですね。
投資本で読んだ通り、たばこ会社っていうのは事業運営にほとんどキャッシュがいらないので、配当金にたくさん回すことが出来るようです。
ブリティッシュアメリカンタバコマレーシアの問題点とは?
右肩下がりで業績が下がっているのは一目瞭然なのですが、ではなぜこんなに駄目になったのか?というのを確認してみました。
ストレートタイムズというマレーシアの英字新聞の記事でJTマレーシアの社長の記事が出ていたのですが、マレーシアでは違法たばこが大流行しており、なんと国内消費の70%が違法に出回っているたばこなんだそうです。違法たばこは当然ながら税金を払ってないので安い、ということでこちらのほうが人気があるみたいですね。記事によると、マレーシアというのは違法たばこが最も出回っている国であり、この状況は全く改善してないし、むしろどんどん悪化している、ということでした。
ブリティッシュアメリカンタバコマレーシアにとっては大問題です。このまま違法タバコが売上を伸ばすと、この会社は倒産してしまうかもしれませんね。売上の急減具合からみても、ちょっとこれはヤバイかもしれません。
以上の通り、ブリティッシュアメリカンタバコマレーシアの業績はきれいな右肩下がりで、違法タバコのせいでこうなってしまった、ということです。違法タバコは改善する兆しが無いようですので、ブリティッシュアメリカンタバコマレーシアにとっては今後も苦難の事業運営となるかと思います。
高配当株ではありますが、こういう会社は投資しないほうがよいと言えるでしょう。投資本ではたばこ株はリターンが高いというデータを示していましたが、たばこ株が輝いていたのは過去の話で、未来は期待できなさそうですね・・・。
ところで・・・宝くじは3000円購入して、当たったのは300円でした。これで1億円当てて以来、ずっと300円ばかりですね。でもまあこんなもんだと思います。5億円が当たるのは次回かもしれませんし、10年後かもしれませんし。。その日に向けて、ゲンは担ぎ続けますよ。