今回はマレーシア株の超高配当株である、エアアジアを分析してみたいとおもいます。
エアアジアといえば最近急成長したLCCで、東南アジアに旅行するときに乗りますね。私はシンガポールからクアラルンプールに移動するときくらいしか乗ったことありませんし、お金を持った今となっては狭い座席よりも広いほうがいいので、普通のナショナルフラッグキャリアを使うことにしています(嫌味ですみません(笑))
クアラルンプールのブキビンタン駅には"Air Asia"というロゴも入ってて、マーケティングも激しく行っているようです。赤い制服のお姉さんがにっこり笑っている広告がたくさんありますね。
で、そんなエアアジア株ですが、日本から購入できるということで興味がある人も多いんじゃないでしょうかね。
では早速株価を見てみましょう。
まず目につくのが配当利回り13.33%という衝撃の数値です。一体何があったんだ・・。というくらいです。
株価はこの10年で上がったけど、最近急落しています。一体何があったんや・・・。
エアアジアの会社概要
2001年に創業したかなり若い会社です。
マレーシアのクアラルンプール国際空港を拠点に、ローコストの航空会社として成長していきました。2018年12月段階では23か国147もの空港に運行しています。
各国のマーケットシェア(国際線と国内線の総合)ですが、2018年のアニュアルレポートによると下記のようになっています。
マレーシア 43%
タイ 21%
フィリピン 16%
インド 6%
インドネシア 6%
日本 0.1%
と、いうことでマレーシアでの圧倒的なシェア1位という会社です。
やり手の経営者が急拡大している会社ということみたいですね
エアアジアの売上&利益
早速売上と利益の数値をみてみましょう。
この10年で売上は3倍、利益も3倍以上と急速に業績を伸ばしています。でも2014年には赤字すれすれまで利益が落ち込んでおり、あんまり安定した成長とはいえません。とはいえそれでもとんでもない成長であることは間違いありません。(スミマセン、単位は百万リンギットです・・・)
続いて、セグメント別、と言いますか、エリア別の売上を見てみます。
アニュアルレポートのエリア別数値を全部足すと、売上高以上になります。ここから数値を相殺することになるのですが、どうも正しい数値を見つけられませんでした・・。ということでこのグラフは参考に見てほしいのですが、売上の過半はマレーシア、次にタイという順番になっています。マーケットシェアでもマレーシアで43%、タイで21%と高い値をたたきだしていますね。当面はこの2国が中心となるのかなと思いますが、他のASEAN諸国にも触手を伸ばしているという感じです。
では地域ごとの利益率を確認してみます。
これもアニュアルレポートで2014年12月期の税前利益率がどのセグメントのゼロだったので、2014年の数値は参考になりませんが・・・
これをみて目立つのは、マレーシア国内で圧倒的に稼いでおり、その他ではトントン、もしくはフィリピン、インドネシアのように赤字になっています。
エアアジアはASEAN全体で稼いでいるのかと思いきや、、マレーシアでの圧倒的なシェアとそれをてこにした利益で稼いでいるんですね。。
エアアジアの配当金
配当金を確認してみます。
一株当たり配当は2018年に2倍になっており、近年急に伸びていますね。この配当を維持できれば問題ないのですが・・。
エアアジアのキャッシュフロー
ではキャッシュフローをみてみます。
営業キャッシュフローはかろうじて黒字ですが、投資もかさんでいます。2018年は資産売却により投資キャッシュフローが大幅プラス、そしてその分を借金の返済にあてています。
では最後に、配当金を払うだけのキャッシュはあるのか、と言うのを確認します。
いつものように、営業キャッシュフローから資本的支出を引いたものを「配当金の原資」と定義し、実際の配当金支払額と比較しました。青のバーがオレンジのバーよりも高ければ問題ないのですが。。。
そもそもこれを見ると、営業キャッシュフローから資本的支出を引いたら赤字の年が多いです。。配当金どころか、これ長期的には利払いにも困るのでは?
航空機ビジネスということで、機体の購入、維持ですごいお金がかかるのかな~と思います。うーーーーん、配当金を今後もずっと維持できるでしょうか?ローコストキャリアということで価格勝負ということで、利益を伸ばすのは難しそうな気がします。。
ということで、エアアジアはものすごく配当利率が高いのですが、配当金を維持するのは難しく、このままでは減配になるんじゃないかなと思います。逆に言うと、減配になるリスクが高いとみんなが考えるから株価が下がっているような気もします。
配当利率に目をくらんで投資をしてはいけない銘柄かな~と思います。現時点では。株価がもっと暴落するとか、将来もっと儲かるようになれば投資してもいいかもしれませんが。個人的にはマレーシアだけに事業を集中したほうがよっぽど儲かるようなきもしますがねえ~~~。