今回はマレーシアの電力会社であるテナガナショナルを紹介したいと思います!
もともとは国営の電力会社だったのですが、民営化されてマレーシア証券市場に上場している会社です。なんと日本からも投資ができるということです。日本でいうと東京電力みたいなものですかね。でもマレーシアには原発はありません。
私が投資しているナショナルグリッドは、送電線とパイプラインのみを保有・運営する会社です。一方でテナガナショナルは発電所や電力の販売部門も持っています。なので、ナショナルグリッドよりも広い範囲で商売を行っている会社、といえますね。
株価をみてみましょう。
配当利率4.83%ということで結構良いかんじの配当利率ですね~。
株価は2013年くらいからジリジリと上がっていますが、2015年からいまにいたるまで12~15リンギットあたりをウロウロといった感じですね。ではさっそく分析してみたいと思います。
テナガナショナルの概要
さきほども記載しましたが、もともとは国営電力会社で、1990年に民営化して今に至ります。
マレーシアの半島部と、ボルネオ島のサバ州で電力事業をおこなっています。マレーシア最大の電力会社となっています。
ところで、なんでボルネオ島のサワラク州では電力事業をしていないんでしょうね・・・不思議です。まあ別にいいや・・
テナガナショナルの売上と利益
売上と利益を確認してみましょう。
売上、税引き後利益ともに順調にのびていますが、直近2018年12月期の利益が減っています。電力をつくるための燃料費などが2018年にえらい上がっているようです。
どうも、テナガナショナルが発電するガスの価格が上がっているようです。もともとは激安で購入できていた?ようなのですが・・・マレーシア政府が発電用につかうガスの価格を上げているみたいです。政府にコストをコントロールされるって、個人的には何かいやですね~。パイプラインや電線の使用料を政府が決めるのはともかく、原価まで政府による介入があるのは微妙なかんじです。
ちなみに電力価格も政府によりコントロールされているようです。
TNBのホームページに電力価格が改訂されます、という発表がありました。基本的にコストプラス方式で電力価格が決まるよう何で、赤字になってしまうようなことはなさそうです。
そういえば2017年から12月期決算となりました。それまでは8月期決算でした。面倒なので修正はしていません。
テナガナショナルの配当
配当を見てみます。
2011年から一株あたり配当金は順調にあがっています。が、2018年12月期は利益が減ったからか、前年よりさがっています。
配当性向は最近非常に高くて80%を超えています。
テナガナショナルのキャッシュフロー
ではキャッシュフローを見てみます。
営業キャッシュフローは順調にプラスなので問題ないでしょう。電力会社ということで、発電所や送電線の建設・維持のために多大な投資キャッシュが必要なので投資キャッシュフローもかなりマイナスです。
いつものように配当金を払うだけのキャッシュがあるのか、確認してみます。
営業キャッシュフローから資本的支出を引いたものを「配当金の原資」と定義し、実際の配当金支払額と比較しました。青のバーがオレンジのバーよりも高ければ問題ないのですが。。
うーん、設備投資がかさんで、「営業キャッシュフロー マイナス 資本的支出」が、配当金支払額よりも少ないように思います。2017年なんて青のバーがマイナスになっているし・・・。この2年はちょっと無理して配当金を払っているような気もします。
ということで今回はマレーシア最大の電力会社の分析を行いました。配当利率4.8%とかなり高くて魅力的ですが・・・販売価格と燃料価格が政府により統制されているのでいつ利益率が下がるか分からない、そして投資がかさんでいて、配当金を支払うだけのキャッシュが足りていないような感じなのが気になるところです。
少し様子見といった感じですかね。