今回はシンガポール証券取引所を紹介したいと思います。この会社は、日本でいう日本取引所グループのシンガポール版といったところです。株式などの証券の売買を仲介する会社、ということです。
結論を先に述べてしまいますが、ここは非常に良い会社だと思います。株価がもっとさがれば購入しようかと思います。いまはナショナルグリッドとユニリーバのおかげでドルいっぱい持っています。シンガポールドルに替えて投資しようかな・・と思ったらSBIでの為替取引って1回円を介在させないとダメなのか・・直接ドル→シンガポールドルに替えたいんだけど、どうればいいのだろうか・・・・。(そもそも出来ないのかな?)
ではまず株価を見てみましょう。
ここ10年で株価はずーっとお横這いです。リーマンショック前には15ドルをこえていましたが、リーマンショック後に一気に下落して5ドル未満になりました。その後6~10ドルの間を行ったり来たりと言う感じになっています。
配当利率が3.67%ということで、そこそこいいですね~。
シンガポール証券取引所の概要
その名前のまんま、シンガポールにおける証券取引所です。株式取引のほかに、鉄鉱石、パームオイル、石油といったいろんなコモディティ商品の先物取引やデリバティブ取引などを実行しているようです。また船賃なども取引されているみたいです。あとは証券に関する情報の提供、コロケーションなどもビジネスの柱です。(コロケーションというのは、高速取引業者のために証券取引所の近くにサーバーを置いてあげるかわりに、お金を取るというビジネスですね。褒められたもんではありませんが、違法ではないということです。世界のどの証券取引所もやってる商売です。高速取引業者は売り注文・買い注文の信号をコンマ1秒早く入手して、少し安く、もしくは高く売買することで儲けることができるようです)
2000年に自らの証券取引所に上場しています。日本だと日本取引所グループにあたりますね。それのシンガポール版というところです。
インドや中国の株式インデックス取引や為替取引などが充実しているようです。シンガポールには中華系とインド系両方いるので、巨大な両市場にアクセスできるんでしょうね。
シンガポール証券取引所の売上と利益
では売上と利益をみていきましょう。
売上は順調にあがっていて、利益もほぼ横ばいですが2013年からは徐々に上がっています。驚異的なのは利益率で、税引き後なのに40%をコンスタントに超えています。メチャクチャ儲かるビジネスだということがわかります。
つぎにセグメント別の売上をみていきます。
株式取引手数料は一貫してさがっていますが、デリバティブ取引、そしてマーケットデータの売上が上がっています。コモディティ商品や株式インデックス先物取引などの取引需要が増えているのかなと思います。中国インドの経済成長とともにこのあたりのニーズもふえているんでしょうね。
セグメント別の税前利益率をみていきます。
「その他」は本社部門などを含むので、無視しましょう。ずっと株式取引の利益率が高かったのですが、2019年6月期からデリバティブ、そしてマーケットデータ部門の利益率が上回っています。売上が伸びている部門の利益率も上昇しているというのは、将来の利益向上が期待できるでしょう。
シンガポール証券取引所の配当金
では配当金をみていきます。
この10年で順調にあがっていってます。2018年6月期からさらに上がって今は一株あたりの配当金は30セントです。配当性向はほぼ100%ということで利益のほぼすべてを配当にまわしています。
シンガポール証券取引所のキャッシュフロー
キャッシュフローをみてみましょう。
毎年順調に営業キャッシュフローを積み上げています。投資キャッシュフローはすくなく、ほとんど投資しなくても事業展開できることがわかります。理想的なビジネスですね。財務キャッシュフローはほぼずべて配当金の支払いでした。
ではキャッシュフローの観点で配当金支払は大丈夫かを確認します。
営業キャッシュフローから資本的支出を引いたものを「配当金の原資」と定義し、実際の配当金支払額と比較しました。青のバーがオレンジのバーよりも高ければ問題ないです。グラフをみると、基本的に青いバーがオレンジよりも高いので、配当金払いを心配する必要はありません。と、いいますか、払えるだけの配当金を払っている、ということがわかります。
ここまで分析してみましたが、このシンガポール証券取引所というのは投資に値するなかなかのいい銘柄ですね。ユニリーバ、ナショナルグリッドに続く第3の投資先候補にしようと思います!
通信株とちがってよく考えたら競合らしい競合企業がないですよね。シンガポール株といえばここを利用するしかないですし。シンガポールテレコムよりも配当利率は低いですけど、安全性はシンガポール証券取引所のほうが断然上ですね。リーマンショック級の景気後退で証券取引が減ったら、一時的に業績が悪化するかもしれませんが。。