これまでタイ石油公社、タイ石油開発公社と、国営石油会社グループの分析をしていますが、今日は同じくタイ石油公社傘下のPTTグローバルケミカルを分析したいと思います。
この会社は名前の通り、石油から精製する化学製品をつくる会社ですね。日本でいうと三菱化学とか三井化学とか住友化学といったところでしょうか。親方日の丸ならぬタイ最大の国営会社傘下の大手化学メーカーということで安定してそうな会社ですよね。PTTグローバルケミカルの株式のうち48%は親会社であるタイ石油公社が保有しています。
では早速株価を見てみましょう。
な、、、なんと!!配当利回りが6.67%とものすごく高いです!!株価は60バーツ近辺を言ったりきたりという感じです。一時期100バーツ近くまであがってましたが、急に下落していますね。でもそのおかげですごい配当利回りが高くなっています。
PTTグローバルケミカルの概要
上記にも書きましたが、タイ国営石油傘下の化学メーカーです。精製所はタイだけじゃなくて世界中にあるようですね。
でもこの図の通り、やっぱりメインは大きな印がついているタイの製油所のようです。
ところで化学製品ってどんなのを作っているのかな、と思って調べてみましたが・・・
LPG,ナフサ、ベンゼン、ディーゼル、燃料湯、トルエン、エチレン、プロピレン、、、などなどいろんなものを作っているようです。すみません、私自身は化学製品について全然詳しくないのですが・・・ウィキペディアなどを見る限りですが、原油やガスを分解して、世の中の役に立つ上記のような製品を精製する、ということみたいですね。お米からお酒つくるようなもんですね。それが石油製品というだけで。いまのわれわれの文明は石油とか石油製品なしでは成立しないので、文明の屋台骨をになっている?ということかなぁ~と思います!
ところで、この会社は2011年に複数の会社が合併して発足しましたので、売上などの数値が2011年からガラっと変わることになります。
PTTグローバルケミカルの売上と利益
売上と利益をみてみましょう。
合併した2011年から急に売上が上がっています。売上は合併後ずっと低いのですが・・・まあでもこの2年は純利益率が8%とそこそこ以上の利益率ですね。なんといっても2014年からはコツコツと順調に純利益を伸ばしています。化学製品は石油価格と製品価格の上下で利益上下する気もするのですが、案外安定していますね。
PTTグローバルケミカルの配当
配当の状況を確認してみましょう。
合併した2011年は配当金ゼロですが、そこからは毎期配当を出しています。この2年は過去最高の一株あたり4.25バーツとなっています。
PTTグローバルケミカルのキャッシュフロー
それではキャッシュフローを見てみましょう。
営業キャッシュフローは毎年黒字ということで非常に健全なビジネスです。合併した2011年の財務キャッシュフローがとんでもないマイナスですが・・・それを除けば、営業キャッシュフローの黒字幅が、投資&財務キャッシュフローの赤字幅を毎年上回っているので、キャッシュフローの観点からすると非常に健全な会社だと思います。
では、キャッシュフローの観点から配当の支払いは大丈夫なのか確認してみましょう。
営業キャッシュフローから資本的支出を引いたものを「配当金の原資」と定義し、実際の配当金支払額と比較しました。青のバーがオレンジのバーよりも高ければ問題ないです。グラフをみると、2011年の合併以降以降ずっと余裕のある配当払いをしています。最近は青とオレンジのバーが近づいているのが気になりますが・・まあでもいきなりの大幅減配という心配はしなくて大丈夫でしょう。
と、以上がPTTグローバルケミカルの分析でした。
配当利率が6.67%で物凄い高く、これまでのところは非常に安定した業績、キャッシュフローと配当支払いです。この1~2年で株価が下がっているので何か悪いことが起こるのかな?とも思いましたが、いろいろネットで調べてみましたけど、別に将来何かPTTグローバルケミカルのビジネスがダメになるようなニュースはなかったです。(本当はあるのかもしれませんが・・)
タイ石油公社、タイ石油開発公社と比較すると配当利率も高く、投資するならPTTグローバルケミカルかな~~~と思いますね。明日もタイ石油公社系列の会社を分析するのでお楽しみに!