さあ本日もまたタイ石油公社(PTT)系の会社です。タイ石油公社系列の会社の分析はこれで最後です。IRPCという会社になります。
タイ石油開発公社(PTTEP)、PTTグローバルケミカル、タイオイル、そして最後にIRPCと言う会社もタイ証券取引所に上場しており、日本のSBI証券から株を買うことが出来ます。これまで紹介した、PTTグローバルケミカルとタイオイルを足したようなビジネスで、製油所と石油化学の事業を行っている会社です。
早速株価を確認してみましょう。
なんと配当利回りが4.87%とかなり高いですね。これは興味が出てくるレベルです。この10年くらいで株は上下しましたが結局もとの水準に戻っています。成長株と言うわけではないかなと思いますね。ほかのタイ石油公社系の会社も高成長はないかな~と思います。どちらかというと配当狙いと言う感じですね。
IRPCの概要
昨日のタイオイルと同じく、石油を精製して燃料とつくったり、石油化学製品を作ったりする会社です。工業が発展しているタイではやっぱり石油製品の需要が多いという事なのかなと思います。IRPCの株式のうち48%は親会社のタイ石油公社が握っています。
IRPCのホームページにあった写真を貼り付けます。
石油タンカーに製油所と、だいたいどんなビジネスかは写真を見たらわかりますね。でっかい工場に石油をぶち込んで製品をつくる、というビジネスだということが分かります。
事業としては石油精製、ナフサ生産、アスファルト生産、潤滑油生産と、石油化学としてオレフィン、ポリマーなどを生産しています。そのほかに発電事業を行っています。ということでタイオイルとほとんどビジネスが同じですね~。タイオイルは石油化学はやってなかったですが、私のような素人からすると似たようなもんかと思います(適当な分析ですみません)
IRPCの売上と利益
IRPCの売上と利益をみてみましょう。
売上はずっと横ばいですね。利益率は高くても5%とあんまり儲からない事業といえます。2012年と2014年は赤字ですし。これはタイオイルも同じ感じでした。
セグメント別の売上をみていきます。
メインはアスファルトや燃料といった石油製品が占めています。石油化学が20%くらいで、発電などのその他事業はごく小さい割合にすぎません。
セグメント別の利益率をみていきます。
年にもよりますが、利益率でいうと「その他事業」「石油化学」「石油製品」の順番です。売上に占める割合のもっとも大きい石油製品の利益率が低くなっています。というかほとんどゼロじゃないですかね・・・。うーーん微妙ですね・・。利益の大半は石油化学事業が稼ぎ出しているということがわかります。
IRPCの配当
配当の状況を確認してみましょう。
タイオイルと同じく、一株配当は増えたり減ったりと言う感じです。2014年から一株配当金は2倍以上に上がって高い水準を保っていますが、これからIRPCに投資する投資家としては今後も同じくらいの配当金を維持できるかが気になるところです。
IRPCのキャッシュフロー
それではキャッシュフローを見てみましょう。
営業キャッシュフローは多少の高低はあれど、プラスを保っています。製油所を運営しているということで相当な投資キャッシュフローが出ていっています。資本集約的なビジネスということでこんなもんかなと思いますね。
次に、配当の原資は大丈夫なのかと言う観点でキャッシュフローを確認します。
営業キャッシュフローから資本的支出を引いたものを「配当金の原資」と定義し、実際の配当金支払額と比較しました。青のバーがオレンジのバーよりも高ければ問題ないです。2014年に思いっきり青いバーがマイナスなのがきになりますが・・・・10年のうち5年は青いバーがオレンジのバーよりも高いという状況です。うーん、毎年余裕のある資金繰りで配当金を支払っているわけではなさそう・・。
今回はタイ石油公社傘下のIRPCについて分析しました。タイ石油公社含め、傘下の上場子会社4社を全部分析してみました。
タイ石油公社というタイ最大のグループ会社、かつ社会の根幹を支えるエネルギー会社ということで、たまに赤字もあるものの、どの会社基本的に黒字で運営していますし、そこそこ安定して配当を払っているかと思います。
これまで石油とかガスとか石油化学とかタイのエネルギー会社ばっかり分析していたので、明日からは別のビジネスを運営する株について分析してみようと思います。