さて今回はタイ株の病院シリーズ第3弾です。タイの上場病院シリーズ最後となります。バンコクチェーンーンホスピタルというところです。バンコク病院チェーンという名前そのまんまの会社ですね~。
これまでのバムルンラード病院、バンコクドゥシットメディカルサービスの2社の病院株を分析しましたが今回は最後となります。
企業規模としては、バンコクドゥシットメディカルサービスが一番大きく、次にバムルンラード病院、最後に今回のバンコクチェーンホスピタルの順番です。
株価を見てみましょう。
いままでの病院株2社と同じく、5年くらい前から株価は上がっているものの、ここ最近は横ばいという感じです。
バンコクチェーンホスピタルの概要
チェーンというだけあって、複数の病院を経営しています。
こういう感じの大きな病衣も運営しており、質の高い医療を提供しています。
上記の表はけっこう分かりやすいです。病院は12棟あり、病床数は2245となっています。外国人相手の病院としてWorld Medical Hospitalというのが1棟あり、国内富裕層向けのKasemrad International Hospitalが1棟, 中間層向けのKasemrad Hospitalが8棟、そして広く大衆向けのKarunvej Hospitalが2棟となっています。
あとは今建設中の病院が3棟あるようです。
まだまだ建設は30%も進んでおらず、完成は来年以降になるかなという感じです。
このように様々なレベルの病院を12棟保有しているというのがバンコクチェーンホスピタルの事業概要となります。
バンコクチェーンホスピタルの売上と利益
売上と利益をみてみましょう。
10年で売上は2倍と、前の2つの病院株と比べると成長スピードが遅いのが気になります。利益の伸びはもっとゆっくりでこの10年で1.5倍くらいです。他のタイの病院株と比べると見劣りしてしまうかもしれませんが、それでも十分すぎる成長だと言えるでしょう。
バンコクチェーンホスピタルの配当
配当の状況を確認してみましょう。
一株配当は過去10年で、凸凹していますが2015年からは順調にあがっています。配当性向も50%くらいと安定しています。
バンコクチェーンホスピタルのキャッシュフロー
それではキャッシュフローを見てみましょう。
営業キャッシュフローは毎年プラスです。ところが投資キャッシュフローがものすごく赤字になっていて、設備投資・病院建設・買収などでお金が出ていっています。
次に、キャッシュフローの観点で配当金を支払う原資があるかどうかを確認してみます。
営業キャッシュフローから資本的支出を引いたものを「配当金の原資」と定義し、実際の配当金支払額と比較しました。青のバーがオレンジのバーよりも高ければ問題ないです。青いバーが赤字になっている年の近辺は、減配していますね。資金繰りが厳しかったからでしょうかね。2018年はオレンジのバーのほうが高くなっているのが気になるところですね。
今回は病院シリーズ第3弾ということでバンコクチェーンホスピタルを紹介しました。
私個人としては、富裕層向けの病院のほうが今後利益率向上が期待できるんじゃないかなと思います。お金持ち相手だといくらでも単価を上げれます。新興国から多数のお金持ちを呼んで、最高級医療を提供して非常に高い単価をもらう、これが効率いいのではないかと思います。
中間層向けでもいいんですが・・・・日本の場合はほとんどの病院が中間層向けですが、これだと単価がそんなに高くないので医者をこき使うしか売上を上げられないんですよね。それ以外の要因もあり日本の医者は過労気味です。それよりもお金持ち相手に高いお金をもらい、その代り医者もきっちり休みを取りながら最高のコンディションで治療にあたる、というビジネスモデルのほうが一流の医者にとってもそういう病院に行きたいと思うでしょう。
お金持ちにしても、中間層相手に疲弊しきっている医者に治療してもらうよりは、自分専用に働いてくれる最高技術を持つ医者に診てもらいたいでしょう。お金はあるのでいくらでも高い単価も払えるでしょうし。
最後にいろいろ書きましたが、タイの上場している病院株を3つ連続で分析しました。私個人としては配当利率も高いしバムルンラード病院への投資が良いかなぁ~と思いましたが、バムルンラード病院はHIVを感染させたので今後業績さがるかもしれないし・・・。うーん迷います。とりあえず病院株は配当利率低いし、株価下がってから投資を検討しても遅くないかなと思います。